今月の法話

今月の法話
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分ける必要のない物 分ける必要のない物
「氷がとけたら何になりますか」という理科の質問。
僕のような親父は「氷が溶けたら終電になります」と答える。
1人暮らしのOLが寂しくお酒を飲む様子が見えてくるだろう。
しかし…どこか薄汚れた答えだな。

「春になります」と答えた子供の話を聞いたことがある。
寒い故郷(くに)で育った子供なんだろうなと想像力が膨らむ。
水と答えるより感性が豊かである。

ある生徒がテストで0点をとった。
お父さんが呼び出しをうけ、教室で三者面談することとなった。
先生はお父さんにテストを見せ
「お父さん、一番上の問題をやってください」と言った。
問題はこうだった。
「81個のみかんがあります。友達3人で同じように分けなさい」
答えは27!単純な割り算の問題。その子は
「ミキサーにかけてジュースにしてわける」と解答し、
「×」をもらっていた。お父さんが
「お前、なんでそんなこと書いたのか?」と聞くと、
「だって、ミカンは大きい小さいがあるし、僕のが甘くて友達のが
酸っぱかったらいやだもん」と。
問題の表面でなく、本質に迫ろうとしたのだ。

お仏壇を見ていて改めて実感したことがある。
このお花はあの人に見せて、この人に見せないという差別の心がない。
このお香はあの人に匂わせて、この人に匂わせないという分け隔ての心がない。
このお灯明はあの人には明るく、この人には暗くという分別のこころがない。
この南無阿弥陀仏の名号はあの人には届き、この人には届かない、
という制限がない。
光、香り、声がその空間を満たしてくれるから「わける」必要がない。
必要がない世界って有難いと思う。

「81個のみかんを3人で分けること」
我々にとっては難問なのかもしれない。

(平成22年 2月の法話:担当者 山田 太郎)